名もなき器 - 名もない一本の木に命を吹き込み蘇るイノチ「名もなき器」。津山銘木有馬店が銘木店として取り組む、銘木+漆の器

確かなもの

制作行程

1.器にほどこす漆塗りの種類について調査する。

同じ漆塗りでも、産地に応じて、様々な技法があることを知る。
今回の製作は杢目を生かす漆器であるので、それに合う技法を調査、決定する。

2.器にほどこす漆について調査・研究する。

漆はアジア圏特有の文化であり、日本では、縄文時代から使用された最古の塗料であることを知る。
9000年前に使用されていたとされる漆器が出土され、中の木は腐っていたが、漆は原型をとどめていた。
それほどまでに、漆は耐久性に優れており、史上最強の塗料とされている。

3.漆器についての調査・研究をする。

漆器は、過去数千年の間日本国民によって使われてきた、歴史ある器であり、
漆器が日常から姿を消したのは、ここ十数年の間であることを知る。
木の国である日本に住む人々の精神形成にも、漆が深く関わってきたことを知る。

4.樹種ごとの漆との相性を調査する。

樹種によっては、漆との相性が良くないとされるものがあることを知る。それは松である。
油分が多いため、漆の乾きが悪く、うまく木肌に漆がのらない。
屋久杉も松と同じく油分の多い樹種であり、困難な面もあったが、
それぞれの職人が独自の方法で克服し、屋久杉への漆塗りも実現した。

5.器の素材を探す。

素材には銘木の中でも、希少な瘤や杢の現れる素材を使用する。
それらの素材で、器素材になるような小ぶりな素材が、どこにいけば、手に入るのか調べる。
調べたところ、大きな丸太を販売するお店はあるが、そのような小ぶりな素材を、専門に販売しているお店がないことを知る。
素材を持っていそうなお店を調べ、目星をつけ、片っ端から電話をし、素材の有無を確認する。
素材を持っているお店を書き留め、その後、それらのお店に伺う。
直接自分の目で確かめた上で、納得のいく素材だけを仕入れる。

6.器を加工する木地師・塗師を探す

銘木素材を、コンセプトに合わせて、加工し、器に形づくる技術を持つ職人さんを探す。
漆に携わる職人さんを全国から探し、開発する「名もなき器」のコンセプトに共感していただいた方に、製作を依頼する。
製作を依頼するに際して、事前に直接会いに現地に伺い、コンセプトを私の口からお伝えする。

7.職人と打ち合わせる。

器開発にあたり、仕上がった器の形状イメージをお伝えし、
素材の性質や漆の特徴を考慮した上で、修正・変更案を踏まえ、
器の形状が決定する。

8.素材を引渡す。

依頼内容を確認した上で、それぞれの職人へ器製作のための素材をお送りする。

9.器の製作がスタートする。