津山銘木有馬店

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屋久杉伐採後、「土埋木」として山に放置された理由

「土埋木」とは、文字通り“土に埋もれた木”。
自生している木ではなく、
かつて伐採され山に放置された材木や台風などによって倒れた材木などを総称して「土埋木」と呼んでいます。

屋久島の山には、「屋久杉」が「土埋木」として(数多く)残存しています。
(〝数多く”をカッコとしたのは、現在土埋木が枯渇の危機を迎えているからです)

「屋久杉」とは、屋久島の標高500m以上の山地にのみ自生する、
樹齢1000年を超える数少ない杉の木のことです。

なぜ、「屋久杉」という希少な材木が伐採されながらも山に放置されたのでしょうか?

その理由は大規模な伐採がおこなわれた江戸時代まで遡ることで
理解することができます。

現在確認できる最古の文献によると
「屋久杉」の伐採が始まったのは江戸時代
屋久島が薩摩藩に編入された頃のことです。

屋久島は石でできた島のため、土地が肥沃にならず、
安定的にお米作ることができませんでした。
そこで年貢としてお米に代わって「屋久杉」が収められていました。

年貢には、短冊形の小板(長さ50cm×幅10cm×厚み5mm程)に加工され、上納されました。油分が多く年輪が緻密で丈夫な屋久杉の特性を活かして、屋根材として利用するためです。この小板を平木といいます。

当時の屋久杉伐採の目的は、屋根材としての利用にあったため、
平木への加工をおこないました。
そこで、加工に向かない繊維の入り組んだ屋久杉は
伐採後も山に放置されることになりました。

これらがいまも姿を残し山に放置される「土埋木」です。
屋久杉土埋木
杉の語源は「真っ“直ぐ”」
杉は上空向かって真っ直ぐに伸びる木です。
ここから“杉”と呼ばれるようになりました。

屋久杉も杉ですので真っ直ぐ伸びていきますが、
1000年もの樹齢を数える屋久杉は、根っこの部分や瘤など、
繊維の入り組んだ、とても真っ直ぐとは言えない部位が現れます。

これら屋久杉は平木への加工が向かなかったため山に放置されました。
そして、この放置された屋久杉が「土埋木」として現在も取引されています。

屋久杉は非常に多くの樹脂を含んでいるため
数百年たった今でも朽ちることなく樹木の姿をとどめることができました。
まるで私たちに自然の生命力を訴えかけているかのようです。


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これからの時代、より大切になってくる“自分の価値観”を思いださせてくれる、天然木製品を世の中に広めていきたいと思っています。


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